2012/05/02

答えを導く

算数の宿題が分からないと娘に聞かれる事が度々あります。今回はこんな問題でした。

半径が3cmの円が図のように3つ並んでいる時、この外周を最短で通る線(オレンジの線)の長さを求めよ


答えは至って簡単ですが、いつもこの手の問題は説明に悩みます。大事なのは答えを知る事ではなく、答えを導き出す為のプロセスを知る事だからだです。

これは仕事においても同じことが言えます。特に保全という職種では、故障した設備を素早く復旧する必要があるうえに発生する問題も多岐にわたる為、答えを導き出す(=問題を特定する)知恵を持つ事はかなり重要な筈です。

多くの人はこの点に気づいてると思いますが、人材育成としてこの『問題を特定する能力』に着目した取り組みはあまり無かったのではないでしょうか。これは誰にでも異常が解るようにするとか、既に確立された調査方法を覚える事とは別の方向性です。

若い子らを見ていると(といっても知る限り2人か)、小難しい事はソツなくこなすものの、初めて見る現象に対して極端に弱い感じがあり、いささか心配になります。


今も昔も教育の場で教えていく内容というのは「交換手順」「操作方法」「調整方法」等が中心で、評価もそれに準じたものになっていますが(※)、早期育成を狙うのであれば、そこへ辿り着くプロセスについても重視すべきです。

もしかすると、『このような現象になったらこの部分を見る』のような答えを積み重ねていけば、こうした能力というのは経験と共に身についていくものなのかもしれません。

数少ない情報から様々な要因を想定し、切り分け、検証し、特定する。…と、言葉で言うほど簡単なものではありませんが、これは一人前に近づく為のステップであり、同時に修理屋としての醍醐味でもあると思うのです。


私は決して経験豊富ではありませんが、今後部下に対しては問題を特定していくまでのプロセスに重点を置いて物事を教えていこうと思います。(何の発表文だよコレ)


※『~についての調査が出来る』といった評価項目も存在したように記憶していますが、それこそ多岐多様なケースがあるため評価という点では順当ではないと思います。

ちなみに数か月前、技能評価で『若者の早期育成傾向が達成できている』との見解が出されましたが、こうした評価が上層へあがり社長の発言(URL参照)につながったのでしょうか。
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/120322/biz12032218290019-n1.htm


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